人工知能は月食を珍しがれるか

今日は皆既月食があった日でした。会社のみんなもビルの外へ観察しにいってたし、SNS上も薄暗く陰る月の写真でもちきりでした。

 

月食って見た目の上ではいつもの三日月とかとそんなに違いは無いように思うので犬や猫は気づいてないかもしれません。でも一部の昆虫とかは月の光が短時間で変化することを敏感に感じ取ったりしてるのかもしれませんが。

 

私たち人間は地球上の生き物の中でも特に「珍しがり屋さん」だと思います。それはなぜかといえばもちろん知能があるからでしょう。

 

普段、星々はバラバラに周回運動してるだけなので、一直線上に並ぶというのはいわば「例外」です。例外に驚き、その理由を知りたいと思う感情が、背後にある「世界や事物の仕組み」を解き明かそうとする力を生み、それが原動力となって私たちは文明を発展させてきたとも言えます。

 

しかし例外に敏感であることは悪い副作用をもたらすこともあります。それは、些末な例外に振り回されることで、本来の大事な「通常のケース」をおろそかにしてしまう恐れがあることです。人工知能ではそういう恐れが常にあって、過学習と呼ばれますよね。

 

人間が「例外に敏感」であるにも関わらず、人工知能のように過学習しすぎないのは、「概念的な抽象化が出来て、それを他のことに応用できる」、「社会性つまり他者とのコミュニケーションが極端に走ることへの抑止力になっている」、といった今の人工知能が十分に備えていない能力を持っているからです。

 

だから、ちゃんと月食を珍しがれる人は、人工知能との差別化が出来ているとも言えるかもしれません。

 

かくいう僕は全く興味なくて一瞥(いちべつ)もしなかったので、そんな僕みたいなやつは近いうちに人工知能に淘汰されてしまうのかもしれません、なぁんてね。