論文の気になるところだけを短時間で読む方法

先日、ビット量子化の手法でBitNetの論文がでてSNSで話題になりました。私も気になったので論文(とその参照論文)を1時間ほど確認して自分なりの要約をツイートしたところ、結構多くのリツイートやいいねをもらいました。 bitnetの論文気になるとこだけ読…

位相空間の連続写像や測度空間の可測関数が「逆」写像を使って定義される理由

当日投稿でもう一つ adventar.org の記事を書いてみました。 突然ですが、数学を勉強してると、以下のような疑問に突き当たるのは僕だけでしょうか? 位相空間における連続写像が「逆」写像で定義されるのはなぜ? 測度空間における可測関数が「逆」写像で定…

汎用人工知能の観点で「新実存主義」を読んでみた(前編)

本記事は adventar.org の 12/10当番分の記事です。 はじめに ドイツ、ボン大学のM.ガブリエル教授をご存じでしょうか?「哲学界のロックスター」の異名を持ち、現代の気鋭の哲学者と評される氏は、メディアに露出する機会も最近多いです。 そんな彼の著書の…

マティス展に行ってきた ~なぜ切り絵に至ったのか~

GPTの考察記事執筆、遅れに遅れちゃってますが、また少し脱線。 ゴールデンウィーク中、上野にある東京都美術館で開催されているマティス展を観に行ってきました。 マティスという画家のことは、名前だけ聞いたことがあって「切り絵の人だっけ?」というくら…

LLMに知識ベースを統合するのは簡単

本ブログ、GPT考察シリーズの途中ですが番外編を適宜挟んでいきたいと思います。 (特に意味はないOGP画像) 愛すべき嘘つき ChatGPTを使ってると、現実には存在しないものやことをあたかも真実であるかのように語る幻覚(hallucination)の問題に良く出くわし…

GPTの仕組みと限界についての考察(2.1)

全3回のシリーズパート2の本記事では、GPTの能力と可能性をAttention/Transformerの仕組みをふまえて考察します。 というつもりでしたが、凄く長くなってしまったのでパート2は以下の3回に分けようと思います。 (2.1)各技術の定性的な説明(本記事) (2…

GPTの仕組みと限界についての考察(1)

GPT4が登場してChatGPTが盛り上がってますね。 本記事は、GPT(を支えるTransformerという仕組み)をChatGPTユーザにとって分かりやすく説明し、その能力と限界についての見通しをよくしよう、という趣旨になります。 少し長くなりそうなので、全部で記事を3…

自分の「嫌いな人の共通点を考える」ことのススメ

社会人をやっていると誰しも、(特に仕事において) 「この人とは価値観が合わないなぁ。すごく嫌いだなぁ。」 と思う人に出会うことはあるだろう。僕もそうである。それで今日ふと、 「そういう僕の嫌いな人には、なんだか共通点があるぞ」 ということに気…

東京

小さい頃、僕の実家がある埼玉県北部、熊谷市に住んでいたとき、東京は未知の都会だった。 親戚の殆どが埼玉県に住んでいたけど、遠い親戚に一人だけ東京に住むおばさん(父の叔母)がいた。父も母もその方のことを「東京のおばさん」と呼んでいたけど、本当…

ワイン初心者がオススメする赤ワインTop5

昨年11月からワインに少しハマり、この2か月半でボトル20本ほど飲んできた中でオススメワインを紹介したいと思います。 第5位 ベリンジャー・カヴェルネソーヴィニオン(約1000円) 「いきなりステーキ」でグラス赤ワインを注文して、特に銘柄を選ばずに「…

語彙力シリーズNo.1 「機序」

今日は新しいテイストの記事を書いてみます。 日本語の語彙をみんなで増やしていこう!という趣旨のシリーズ第一回として、「機序(きじょ)」という言葉を取り上げてみます。 機序とは? この言葉は、とくに「作用」という言葉を伴う「作用機序(さようきじ…

死と他者性

明けましておめでとうございます。今年も本ブログをよろしくお願いします。 で、正月早々縁起でもないタイトルで申し訳ない限りですが、今朝は少しだけ「将来の自分の葬式」について考えたりしてました。 小さい頃から「自分のことは自分でやりなさい」って…

ワイン雑感

年末年始と言えば、おせちとお酒。おせち料理にはまぁビールや日本酒が定番なんでしょうけど、おせちなどとは無縁の独り身としては「飲みたい酒を飲む」、これに尽きます。 僕はビールが一番好きではありますが、ワインも好きです。醸造酒はちびちび飲めるの…

2023年にやりたいこと

2022年も年の瀬ですね。 今日は個人的に来年(仕事以外で)やりたいことをリストアップしてみます。 ・深センに旅行する 世界で一番進歩の速い場所ではないかと思う。その空気だけでも吸ってみたい。 ・1日バーのマスターをやる キッチンカーを何台も自作し…

無意味な相槌の重要性 ~それは能の起源なのか~

昨日、ひょんな機会から会社関係の3人(Sさん、Rさん、私)でランチをした。仕事のMTGではなく、ざっくばらんな雑談会みたいな場だったのだけど、僕にとっては濃密な時間だった。 同僚のRさんはエンジニアではなく戦略立案やコミュニケーションのほうが本領…

(理系にこそ伝えたい)思想とは何か

人工知能の進歩が目覚ましいですね。とくに最近発表されたChatGPT、ホント凄いですよね。 人間にしか出来ないと思われていたようなことが次々と人工知能によって実現されていくのを目の当たりにして、今、そして、この先の技術的な進歩が、我々をどのような…

カラオケにハマった

これを書いてるのはお天気の良い日曜日の昼前。今朝も1人でカラオケに行って来た。 きっかけ カラオケにハマりだしたきっかけは、今の会社での生活に慣れてきて気分を変えたいなと考えてた時にふと思いついた「平日の朝、出勤前にカラオケに行く」というアイ…

リゾームにおける切断

短めのブログを頻度高めに書く、っていうの再開したいと思う。 最近読んでる本の一つ*1、千葉雅也先生のこの本が凄くおすすめ。 『現代思想入門』(千葉 雅也):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部 新書ってそれなりにライトで読みやすい内容の本が多く、こ…

概念化とは何か

突然ですが、本ブログのタイトルは「concepturalization(=概念化)」というものです。 パスカルという人が「人間は考える葦である」と語ったことは割と有名な話だと思いますが、「考える」という行為には「言語的な思考」と「非言語的な思考」があります。…

真心があれば気の利いた言葉なんて要らないのかも

この週末は、鎌倉に一泊二日旅行に行ってきました。初日の昼は鎌倉の低い山林のよく舗装された道をハイキングし、江ノ電に乗り七里ヶ浜へ足を運んで浜辺を散策しました。 夕日を背にむけて帰るのが名残惜しくて、沈む陽をみながらほぼ反対歩きで鎌倉高校前駅…

小説の「語り」における人称コントロール、およびモダリティ

僕は文章を書くのが趣味で、こうしてブログを書いたりしてるのだけど、その趣味が高じて小説も書きたくなりチャレンジしてる今日この頃。 僕のブログにおける文章はいわゆる「評論文」的なテイストのものが多く、小説を書くことの難しさに直面してるのが現状…

哲学の意義が分かんなかった高校生時代の俺へ

俺(高校生時代の自分)「人文系とか哲学とか意味なさすぎワロタwww 数学できないから曖昧さに逃げてるだけじゃんwww」 私(今の自分)「ほう。君は数学や物理が好きな理系なのだね。」 俺「そうだけど?哲学とかマジ無駄じゃね?宇宙の究極の物理法則を解き…

人工知能は月食を珍しがれるか

今日は皆既月食があった日でした。会社のみんなもビルの外へ観察しにいってたし、SNS上も薄暗く陰る月の写真でもちきりでした。 月食って見た目の上ではいつもの三日月とかとそんなに違いは無いように思うので犬や猫は気づいてないかもしれません。でも一部…

県境を旅してまわるような

思うところあって、短めのコラムやエッセイを(できれば)毎日UPしていこうと思った次第。 今日は連休明け(カレンダー上は「飛び石」でしたが有給休暇をいただきました)のせいか、午後イチの時間帯が非常に眠く、仕事にならなかったのでオフィスビルにある…

デカルトの賞味期限 ~知における矛盾の復権~

今日のエントリは評論文です。 近代社会の思想的基盤である「論理的思考」に潜む大きなワナについて述べます。 どんどん複雑化する社会 現代社会では技術発展のスピードが年々加速していっているとよく言われます。私もそう思いますしあなたもそういう実感を…

岡本太郎展に行ってきた

今日10/18(火)から東京都美術館で「展覧会 岡本太郎」が開催されています。 僕はもともと岡本太郎氏のファンというわけではなかったのですが、僕はオードリーの若林正恭さんの大ファンで、若林さんが岡本太郎氏を尊敬しているという話を聞いたのがきっかけ…

作文書いてみた

先日、このようなツイートを見かけました。 お恥ずかしながら私自身今回のインターン受入で改めて思い知ったが、国立大学の理系修士にいる人でも日本語作文が壊滅的な人は実在するってこと。これはマジで、入社試験って「その場で作文書かせる」のみでいい気…

コミュ障は治らないけど生きて行ける

本エントリは、僕の10代~30歳手前くらいまでに直面し対処した(僕にとっては)割と大きな人生の課題についてです。*1 小中学生時代から雑談が出来なかった(今でも苦手) 僕は小学校~中学校に掛けて、「自分から話しかける」ことが出来ない人間だった。話…

運動生理学とダイエット

ビールの飲みすぎなのだろう、最近おなかが膨らんできてヤバいと思い、ジム(文京区総合体育館トレーニングセンター)に通い始めて1か月ちょっとが経った。体重は2キロほど落ちたような気もするが、±2キロくらいなら身体の水分量で容易に変動しうるので誤差…

数式を使わないTransformerの解説(前編)

2023/3/23 追記: こちら半年以上前に執筆したもので、その後私の理解も進んで内容的に更新したいところが結構あるため、近日中に非公開とさせていただき,更新後に再公開させていただくつもりです。現時点での本記事の内容は、大きく間違ってはいないけどち…