ダイエットが必要なのは人類がいまだに飢餓だから

仕事から帰って、クーラーを効かせた部屋で缶ビールをゴクり、柿の種を一つまみ口に放り込み、ってのを交互に繰り返す金曜の夜。

 

柿の種に限らず庶民の味方である安価な食べ物の多くは炭水化物である。それが安価なのは、20世紀中ごろに世界中で起きた「緑の革命 - Wikipedia」のおかげであり、それは人類の歴史の長さからすれば、ごく最近のことだ。

 

それでもなお、地球上には飢餓に苦しむ人たちが数えきれないほど存在する。では、それは配分の問題なのだろうか?つまり、地球全体で見たとき、カロリー収支は黒字、トントン、赤字のいずれなのだろうか?

 

調べてみると、どうやら世界全体でみると赤字なのだそうだ。しかもその赤字幅は拡大傾向にあるのだという。日本では飢餓に苦しむ人はこんなに少ないにも関わらず、である。特に経済発展が著しいアフリカおよび東南アジアにおいて食糧不足は顕著なのだそうである。

 

そんな事情はさておき、カロリー収支の上では大幅な黒字である先進国においてはダイエットは多くの市民にとってヘルスケアにおける最大の関心ごとの一つである。人間の身体はカロリー収支としては黒字であっても、あふれかえる現代の炭水化物中心の安価な食事には適応できていない。(緑の革命を引き起こすような)科学技術の発展と比べると、人類の生物学的な進化のスピードは非常に遅い。

 

つまり、先進国で生活する市民にとっても、良質なたんぱく質やビタミンミネラル等を含む栄養学的に好ましい食事を日常的に取るのには依然としてとても高い経済コストが掛かるのが現実なのだ。

 

以上をまとめると、人類が抱える食糧問題は大まかに以下の3つである。

  • 世界全体におけるカロリー収支は赤字であり、赤字幅は拡大傾向にある。
  • カロリーの配分が平等でないために、その赤字分以上の飢餓人口が存在する
  • カロリー収支が黒字の先進国でも栄養学的に良い食料は非常に高価である

 

こうしたことをふまえて思うのは、人類はいまだに飢餓に苦しんでいるのではないかということだ。ダイエットが必要なのは栄養を取りすぎているからではなく、栄養が足りないからなのではないか?と。

 

そう考えると、だいぶ世界の見え方が違って見えてきた。うん、今日は昨日とは違って見えるようになったこの世界のイメージを肴に、お酒を飲もう。

 

ブログ記事を書いてたら酔いがさめてしまった。買ってあるもう一本の缶ビールを開けて飲もう。本当は自分も飢餓だったのかという新たな発見をよそに、炭水化物の塊を口に入れながら。

 

ではまた。