さくらインターネット(株)の買収
いまT.3778は時価総額300億円弱なので、安くはないが高くもない。だがトヨタにとっては、クラウドをどうするか問題をこれでかなり解決できるので、シナジーが大きい。
買収したら「トヨタインターネット」に社名変更する。
テレマティクスアタッチメントデバイスの無料配布
いわばアレクサとかアマゾンエコーみたいなやつの車版。メイン機能はドライブレコーダー機能。
最初は車とのデジタルな通信は(インタフェースがないので)出来ないが、今後開発する新車両にはそれとのインタフェースを少しずつ増やしておく。
ソフトバンクがヤフーBBでADSLモデムを配りまくったように、「ドライブレコーダー映像をクラウドに吸い上げても良い」という条件許諾付きで無料配布できるといいなぁ(これは財務的な可否が関わるので自分には実現可能性が不明ではあるので単なる妄想だ…)。アタッチメントなのでトヨタ車以外の車も対象にする。
このとき、IoTの無線通信キャリアとしてソラコムを使いたいのだが、KDDI系で、トヨタとの資本関係は3キャリア中最も良いのだが、後述するGrabとの関係でソフトバンク系に寄せたいのでソラコムをソフトバンクキャリアの上で使う、という微妙な使い方をしなければならないかもしれない。
(そもそも私の技術知識ではそういう使い方が出来るのかよく分かってないが、ソラコムはもともとキャリアフリーな企業としてスタートしているのだから今もある程度はそうなはず、という憶測で本記事を書いてしまっている。本当はもっとちゃんと技術サーベイが必要である。)
自治体向けGrabソリューションを赤字でも導入
すでに東南アジアNo.1のタクシー配車アプリ。同社は最近ではフードデリバリなどMaaSの総合プラットフォームへの進化を着実に狙っているが、トヨタも既に資本提携(出資)している。
このアプリを使って、「今すぐ使えるスマートシティパッケージ」を開発し、赤字覚悟で5〜10の自治体への導入を今すぐやる。
(非連続にスマートシティを実証実験する構想(ウーブンシティ)も非常に魅力的だが、個人的には既に存在するMaaSアプリを少しずつスマートシティ方面にずらしていくアプローチもかなり確実な展開が見込めそうなので取り組むべきではないかと思うのである。)
その際に、GrabのサーバサイドをGAFAのクラウドではなく、トヨタインターネットのクラウドにする必要があるのだが、サービスインフラやコードリポジトリを元のGrabからブランチさせる必要があるが、トヨタの出資比率でそれだけの関与が可能かが問題。
できればソフトバンクの孫社長を口説いて、トヨタとソフトバンクの2社でGrabに圧力を掛けられると良いのだが、そんなことは可能だろうか!?
トヨタグループのIT系子会社をPFNのライセンシーSIerにする
個人的な印象として、プリファードネットワークスはR&Dは超優秀だが、システム・インテグレーションは超優秀というほどでもない(平均より少し出来る、くらいのレベルのはず)。
なので、PFNに依頼してR&Dしてもらっている成果をパテントフィーやライセンスフィーをPFNに支払う契約のもとでトヨタのIT系の子会社でシステム化する。
(買収したさくらインターネットを、このIT系子会社の中心に据えて、インターネットファーストの子会社組織に再編する)
具体的にはテレマティクスデバイス上で得たビッグデータを使って、
- 最先端のデジタル自動車保険サービスの開発。
- リアルタイム渋滞予測システム及びそれを用いたカーナビアプリケーションの開発
- 音声対話型カーナビおよびMaaS向け音声アドネットワークの開発
- 不動産デベロッパー向け商業地区の潜在価値予測サービスの開発
など。
Autoware(Tier4)社への出資比率を可能な限り上げる
IBMがレッドハットを買収したが、そのようなノリで大金を突っ込んで「自動運転をコモデティ化」させてしまう。
LinuxというOS機能が、それ自体は無料で企業間の競争力の源泉になっていないような現状を、自動運転の世界でも作る。オープンソースのコミュニティをフル活用して、GAFAのR&D体制に対抗する。
トヨタ独自の自動運転OSに大金を突っ込むのと比べてハイリスクローリターンに見えるかもしれないが、20年くらいの長期スパンで見れば損しないはずである。
問題は自動運転の高度なロジックを開発できているかどうかではなく、ビッグデータを保有しているかどうか、なのだ。データさえ抑えてしまえば、アルゴリズムを自社以外の誰が開発しようとあまり関係ない。ソフトウェアの世界でアルゴリズム知財は、ビッグデータさえちゃんとあれば回避がそれほど難しくないものだ。
同じ機能を実現する別の機械学習アルゴリズムを作ることは、同じ機能を実現するのに必要なビッグデータを集めるよりも遥かに簡単である。
新型ガソリン車のIoT化とECUゲートウェイのデファクト化
クリステンセン教授のイノベーションのジレンマで主張されているとおり、トヨタがEVを主力に据えることは自殺行為なので原理的に出来ない。
しかし、ガソリン車をIoT化することは全然できる。これが大切で、問題はEV化ではなくIoT化なのだから。
そこで技術的に鍵となるのはECUとインターネットの通信ギャップを超えるゲートウェイ技術である。この技術は国内ではオムロンが重点的に取り組んでおり、ここはパートナーシップを強めてトヨタ車の「ECU-インターネット標準ゲートウェイ」を共同開発する。
このゲートウェイ規格をデ・ジュールではなくデファクト標準にする戦略をマッキンゼーに数億円のコンサル料金を投げて考えさせる。
自動運転OSではなく「ECU-インターネットゲートウェイ」で世界シェアを握ることを目指す。
内燃機関と大量生産技術の多分野への転用
富士フイルムが写真フイルムの研究開発と製造で培った技術を多分野へ転用して新しい主力事業生み出すことに成功したように、トヨタの内燃機関や自動車部品、それらの効率的な大量生産技術を転用する事業にも注力する。
できれば富士フィルムの経営層レベルでそれに関わった経験のある人を数名招聘して、社長直属あるいは経営企画部に新部署を作って年間100億くらいの小予算で小さなPDCAを大量に回しまくる。
具体的なアイディアは私の今の知識ではには全然思いつかないのだが、外資系コンサルティング企業にコンサルフィーを支払ったらいっぱい提案してもらえるのではないだろうか?(それは思考停止だろうか?)